「現金」の価値、この20年で日本と世界ではこんなに差がついたの。

 

今日は、現金の価値が日本と世界では、この20年で大きく変わったというお話しをしたいと思います。

 

突然ですが、あなたは現金は好きですか?

 

私は大好きです。

 

多分、嫌いな人いないんじゃない?って思ってます。

 

子供も、道端で小銭を見つけたら「マネー!」って騒いでもう大はしゃぎです。

 

100万円の札束を手にしてることを想像するだけでも、顔がほころびますよね。

 

なのに、お金の教育の話してるところでは、現金は最弱、現金貯金は損をする、みたいなことがよく言われます。

 

まるで、現金を持ってることが悪いような、現金が好きで溜め込んでることが悪いような言い方をされます。

 

なぜそのように言われるのでしょう?

 

 

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現金を手に持っておくことの喜びには反して、実際に溜め込むことがよくない理由は何なんでしょうか?

 

タンス預金の問題点

日本人が現金好きなのは、みなさんもうご存知だと思います。

 

家計に眠る現金「タンス預金」は今でもじわりと増え続けていて、紙幣の流通残高100兆円に対して50兆円(2019年1月時点)あると言われています。

 

ある専門家によると、タンス預金残高は増え続け「2023年には70兆円を超える可能性がある。」と指摘しています。

 

これの何が問題なの?と思いますか。

 

私はここには2つの問題があると思います。

 

  1、タンス預金は家庭のタンスに入っていて経済活動に全く参加していない。

 

  2、現金、タンス預金、預金、貯金、などのお金はインフレで価値が下がる。

 

経済活動とは

まず、

 

一つ目の問題、タンス預金は経済活動に参加していない、とはどういうことかというと、

 

経済は「家計」・「企業」・「政府」の三つの経済主体からできています。

 

 

 

 

 

 

 

これは、中学校の公民の教科書にも登場する図ですが、家計(家庭の経済活動)と企業と政府(国や地方公共団体)の三つの経済主体が、相互に財やサービスを取引することを示す経済循環の図です。

 

三つの経済主体が相互に何を取引しているのかに注目してみましょう。

 

 ① 家計 ⇄ 企業

  • 「家計」がサービスやものを買って、「企業」にその代金を支払う。
  • 「企業」がお給料を払って、「家計」が労働を提供する。

 

 ② 家計 ⇄ 政府

  • 「家計」が税金(所得税など)を納め、「政府」から社会保障などの公共サービス(教育や医療など)を提供してもらう。

 

 ③ 企業 ⇄ 政府

  • 「企業」が税金(法人税など)を納め、「政府」から産業発展に役立つ公共事業(道路工事など)を提供してもらう。

 

これらの活動は潤滑に問題なく行われていけば、経済が発展していくことがわかります。

 

しかし、タンス預金でお金を市場に出さずにタンスの片隅に隠していては、経済の発展には役立ちません。

 

だからと言って、タンス預金はいますぐやめて、すぐに使ってしまいなさい、と言ってるわけでもありません。

 

タンス預金も少しはあっていいと思います。「もしもの時」に役立ちます。

 

妥当な金額で持っておくことが重要だと思います。

 

現在、タンス預金は50兆円あると言われていて、人口を1億人として計算すると一人当たりのタンス預金額は、約50万円になります。

 

50万円が多いか少ないかは人それぞれの資産の合計によると思いますが、

私が妥当だと思うタンス預金の金額は、総資産の1%から多くても5%ぐらいではないかと思います。

 

総資産が1000万円から5000万円の人は、50万円のタンス預金は妥当だと思いますが、もし総資産が1000万円以下であれば、50万円のタンス預金は多すぎると思います。

 

あと、大災害時に焼失や紛失と言った場合の補償額や、空き巣や泥棒に入られて現金が盗まれた場合の、火災保険の盗難補償がいくらかを確認しておくのも良いと思います。

 

現金価値とインフレ

次に、2つ目の問題の、現金、タンス預金、預金、貯金、などのお金はインフレで価値が下がる、とはどういうことかお話ししたいと思います。

 

まず消費者物価上昇率です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こちらのグラフは、世界、日本、アメリカで、毎年前年に比べて何パーセント物価が上がったかを表しています。

 

世界では1999年から2019年の20年間、毎年4%ずつ物価が上がりました。

アメリカでは2.2%。

日本は、デフレが続いています。20年間毎年0.1%しか上がっていない。

 

ちなみに2014年は約3%上がっていますけど、こちらはご存知の通り消費税増税があったからです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こちらのグラフは、1999年から2019年の20年間で物価はどれだけ上がったかを表します。

 

世界では、2.2倍に上がりました。

アメリカでも約1.5倍になりました。

 

しかし、日本では3%しか上がっていない、なので物価が上がったとはほとんど気がつきませんよね。

 

実際にディズニーランドやマクドナルドなど日本と外国の値段を比べると、今では日本で買うのがお得という価格になっているようです。

 

その数字をこちらのデータで見ていただくとよくわかると思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

物価が上がるということは、そこで使われるお金の価値は下がっているということです。

 

上のグラフ、貨幣価値の増減率の推移によると、

 

1999年から2019年までの20年間で

 

世界の貨幣の価値は45%になってしまった。

言い換えると、55%価値が落ちてしまった。

 

アメリカでは65%なので、35%貨幣の価値が落ちてしまった。

 

日本では3%しか貨幣の価値が下がっていない。

 

だったら、私たち日本人はなんにも問題ないじゃないかと思われたかもしれないのですが、

 

この貨幣の価値を考えるときに、同時に考えなければいけないのが所得の変化だと思います。

 

実際の賃金がどうなっているのかを表したグラフがこちらです。

 

 

データは少し古いものになりますが、

 

1997年から2016年までに日本と各国の実質賃金の推移を表しています。

 

びっくりしますね、日本だけ賃金が下がっているんです。

 

他の国ではどうでしょうか、

 

アメリカでは、115%

イギリス、125%

オーストラリア、130%

スウェーデン、138%

 

きっと、2020年、現在ではもっと上がっているだろうと思います。

 

これどういうことでしょう。

 

はっきり言ってしまうと、

 

日本が世界から取り残されているということです。

 

世界諸外国では、ものの値段を少しずづ毎年4%あげていっても、給料も上がってるからみんなものが買えて生活ができるんですが、

 

日本はお給料が上がらないから、ものの値段を上げられない、企業はなんとかしていろいろコストカットして、お菓子なんかは少しづつ気づかれないように中身を減らしながら、バッケージを変えながら今のデフレに対応しているということです。

 

例えば、アメリカ人にとってみると日本の円という資産は1999年から20年間で35%下落したということです。

 

世界からすると55%も円の価値が下がっているということです。

 

どうですか、あなたの現金、タンス預金、預金、貯金、などのお金が半分の価値しかないとすれば。

 

今のデフレは目的と反した結果であるということです。

 

国の金融政策の目標は、インフレを起こすことです。つまり物価上昇を起こすことです。適度なインフレは経済活動を刺激しますので、これは政府の政策として当然求められていることです。

 

ぜひとも、お金(現金、タンス預金、預金、貯金)にはリスクがあるということを覚えていただきたいです。

 

リスクの正確な定義は、「危険」ではありません。「不確実性」です。

 

適度なインフレでも現預貯金の価値は下がります。

 

仮にコントロール不能な過度なインフレになったら、日本人の生活が窮地に立たされます。必ずそうなると言ってるのではありません。確実なら「リスク」になりませんから。ただ、そうなる可能性を100%排除できないという不確実性があり、現預貯金には「リスク」が生じているということです。

 

このリスク対策については後日お話ししたいと思います。

 

そして、お子様には現金の価値、ものの価値が世界では違うというお話しを、実際のものの値段で比べながら教えてあげると楽しく学べると思います。

 

 

ディズニーランドとビックマックの世界の価格

 

例えば、ディズニーランドの入園料金を比較。

最高値は、フロリダ州のディズニーワールドの一日券ピーク時の19500円。

最安値は、上海ディズニーランドの平日の6600円。

 

東京ディズニーランドは2番目の安値の7500円です。

 

こちらは世界のビッグマック価格ランキングです。

 

一番高いビックマックはスイスで741円。

 

一番安いビックマックは南アフリカで199円。

 

日本では390円です。

 

価格ランキング表は56カ国のランキングです。

 

私自身、面白いなと思ったのでこちらに載せておきます。

 

世界のビッグマック価格ランキング

最終更新日:2020年7月27日

2020年のビッグマック価格ランキングを掲載しています(対象: 56ヶ国)。

  • 各国のマクドナルドで販売されているビッグマック1個当たりの価格。
  • ビッグマック指数(BMI)は、購買力平価(PPP)によって為替相場を推測するための指標となる。
順位 名称 価格

(円)

価格

(USドル)

価格

(各国通貨)

BMI

(%)

地域
1位   スイス 741 6.91 6.50

(スイス・フラン)

+20.94 ヨーロッパ
2位   レバノン 639 5.95 9,000.00

(レバノン・ポンド)

+4.24 中東
3位   スウェーデン 617 5.76 52.60

(スウェーデン・クローナ)

+0.80 ヨーロッパ
4位   アメリカ 613 5.71 5.71

(USドル)

0.00 北米
5位   ノルウェー 595 5.55 52.00

(ノルウェー・クローネ)

-2.82 ヨーロッパ
6位   カナダ 545 5.08 6.88

(カナダ・ドル)

-11.09 北米
7位   イスラエル 531 4.95 17.00

(新シェケル)

-13.37 中東
8位   ユーロ圏 513 4.79 4.21

(ユーロ)

-16.18 ヨーロッパ
9位   デンマーク 491 4.58 30.00

(デンマーク・クローネ)

-19.78 ヨーロッパ
10位   オーストラリア 491 4.58 6.55

(オーストラリア・ドル)

-19.82 オセアニア
11位   ニュージーランド 466 4.35 6.60

(ニュージーランド・ドル)

-23.85 オセアニア
12位   ウルグアイ 464 4.33 189.00

(ウルグアイ・ペソ)

-24.21 中南米
13位   イギリス 459 4.28 3.39

(イギリス・ポンド)

-25.09 ヨーロッパ
14位   シンガポール 456 4.25 5.90

(シンガポール・ドル)

-25.54 アジア
15位   タイ 438 4.08 128.00

(タイ・バーツ)

-28.57 アジア
16位   コスタリカ 433 4.04 2,350.00

(コスタリカ・コロン)

-29.26 中南米
17位   アラブ首長国連邦 431 4.02 14.75

(UAEディルハム)

-29.67 中東
18位   ブラジル 420 3.91 20.90

(ブラジル・レアル)

-31.46 中南米
19位   チェコ 408 3.80 89.00

(チェコ・コルナ)

-33.43 ヨーロッパ
20位   韓国 402 3.75 4,500.00

(韓国ウォン)

-34.38 アジア
21位   クウェート 401 3.74 1.15

(クウェート・ディナール)

-34.57 中東
22位   サウジアラビア 400 3.73 14.00

(サウジアラビア・リヤル)

-34.64 中東
23位   バーレーン 398 3.71 1.40

(バーレーン・ディナール)

-34.97 中東
24位   スリランカ 393 3.66 680.00

(スリランカ・ルピー)

-35.92 アジア
25位   日本 390 3.64 390.00

(円)

-36.33 アジア
26位   カタール 383 3.57 13.00

(カタール・リヤル)

-37.47 中東
27位   ホンジュラス 378 3.52 87.00

(レンピラ)

-38.29 中南米
28位   アルゼンチン 376 3.51 250.00

(アルゼンチン・ペソ)

-38.54 中南米
29位   ニカラグア 374 3.49 120.00

(コルドバ・オロ)

-38.86 中南米
30位   チリ 373 3.48 2,740.00

(チリ・ペソ)

-39.08 中南米
31位   ペルー 365 3.40 11.90

(ヌエボ・ソル)

-40.41 中南米
32位   クロアチア 356 3.32 22.00

(クーナ)

-41.86 ヨーロッパ
33位   パキスタン 354 3.30 550.00

(パキスタン・ルピー)

-42.15 アジア
34位   コロンビア 353 3.29 11,900.00

(コロンビア・ペソ)

-42.38 中南米
35位   グアテマラ 349 3.25 25.00

(ケツァル)

-43.09 中南米
36位   ヨルダン 348 3.24 2.30

(ヨルダン・ディナール)

-43.19 中東
37位   中国 332 3.10 21.70

(人民元)

-45.74 アジア
38位   ハンガリー 310 2.89 900.00

(フォリント)

-49.38 ヨーロッパ
39位   フィリピン 308 2.87 142.00

(フィリピン・ペソ)

-49.69 アジア
40位   オマーン 307 2.86 1.10

(オマーン・リアル)

-49.96 中東
41位   ベトナム 305 2.85 66,000.00

(ドン)

-50.14 アジア
42位   ポーランド 299 2.79 11.00

(ズウォティ)

-51.15 ヨーロッパ
43位   モルドバ 295 2.75 47.00

(モルドバ・レウ)

-51.79 ヨーロッパ
44位   香港 284 2.64 20.50

(香港ドル)

-53.68 アジア
45位   エジプト 282 2.63 42.00

(エジプト・ポンド)

-53.88 アフリカ
46位   インド 271 2.53 190.00

(インド・ルピー)

-55.75 アジア
47位   台湾 262 2.44 72.00

(ニュー台湾ドル)

-57.19 アジア
48位   インドネシア 253 2.36 34,000.00

(インドネシア・ルピア)

-58.75 アジア
49位   マレーシア 251 2.34 9.99

(リンギット)

-58.98 アジア
50位   アゼルバイジャン 249 2.32 3.95

(アゼルバイジャン・マナト)

-59.28 ヨーロッパ
51位   ルーマニア 249 2.32 9.90

(新ルーマニア・レウ)

-59.30 ヨーロッパ
52位   メキシコ 239 2.23 50.00

(メキシコ・ペソ)

-60.97 中南米
53位   ウクライナ 233 2.17 59.00

(フリヴニャ)

-61.91 ヨーロッパ
54位   トルコ 219 2.04 13.99

(トルコ・リラ)

-64.28 中東
55位   ロシア 205 1.91 135.00

(ロシア・ルーブル)

-66.50 ヨーロッパ
56位   南アフリカ 199 1.86 31.00

(南アフリカ・ランド)

-67.44 アフリカ

※同位の場合は国名称順

<注記>

  • 7月時点のデータ(1ドル=107.28円)

<出典>

 

今日のブログを最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

このブログを通してみなさんのお役に少しでも立てれば光栄です。

 

このご縁に感謝いたします。

 

松立 美香

 

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